ママフル365コラム 【保育園長のナルホド育児】トイレトレーニングの上手な進め方とコツ
日々、子どもたちの成長に携わる保育園の先生に、トイレトレーニングについて教えてもらいました。
トイレトレーニング、いつから始める?
これまでトイレトレーニングの始めどきに悩むママさんと多く接してきましたが、早ければ良いというものでもないんです。子どものからだが準備できていないと、練習を始めてもなかなかうまくいきません。
目安になるのが、おむつが濡れるまでの時間です。夏なら1時間半、冬なら1時間ぐらい濡れないようになれば、からだの準備が整ったサイン。トイレトレーニングを始めてみてください。
トイレトレーニングの進め方はこんな感じ
まずは、一緒にトイレに行く機会を増やしましょう。朝起きた時や食後、お昼寝の後、お風呂の前、就寝前などのタイミングでトイレに座らせるのがオススメです。
「トイレに行ったのに、おしっこもうんちも出ない」そんな時も焦らなくてOK。始めてすぐならタイミングが合わないのはよくあること。トイレに行くという習慣づけを大切にしましょう。
子ども自身、トイレでの排泄を繰り返すうち、おむつで排泄した時に「なんだか気持ちが悪い」と違和感を覚えるようになってきます。この違和感が、トイレトレーニングを進める上でのカギ。
「どうして気持ち悪いのかな?」と考えたり、「トイレでする方が気持ちいい!」と気づいたりすることで、おむつは取れやすくなっていきます。
保育園でも実践中【トイレトレーニング 2つのコツ】
パンツが濡れる不快さを知ってもらう
保育園では、おむつが取れることよりも、子どもたちに「おまるやトイレで排泄しないと気持ちが悪い」という感覚を持ってもらうことを大事にしています。
そこで、吸水性が高いトレーニングパンツはあえて使わず「布パンツ+おむつ」のスタイルで練習しています。肌とおむつの間に布パンツをはさむことで、失敗した時に「パンツが濡れて気持ちが悪い」という感覚を感じやすくするためです。
本人のやる気を引き出す
トイレトレーニングには、子ども本人のやる気も重要なポイント。
ご自宅で「布パンツ+おむつ」を実践するなら、布パンツの絵柄は、できるだけ子どもに選ばせてあげてください。自分で選んだお気に入りのパンツなら大事に扱います。もし失敗してしまっても「大好きなパンツを汚さないためには、どうしたらいいのかな?」と自分で考えますし、「次は汚さないように、トイレの時は教えてね!」とママやパパが声をかければ、きっと子どものやる気もアップしますよ。
トイレトレーニング失敗!? こんな時どうする?
トイレでうんちができません
すぐにできるようにならなくても心配しないで。トイレトレーニングの最大の山場は「トイレでのうんちを定番化すること」です。おしっこのトイレトレーニングが完璧でも、トイレでうんちができない子どもはたくさんいます。
紙パンツですることに慣れてしまっている、おむつに安心感がある、トイレで座ってするよりも立ったままの方がふんばれるなど、理由はさまざまのようです。
ただ、長くそのままでいると、おむつが取れにくくなってしまうケースも。うんちが出やすいタイミング(たとえば食事の後)でトイレに行く習慣を身につけさせる、ふんばりやすいようにトイレに足場をつけるなど、サポートしてあげましょう。
おねしょが復活しちゃった! 子どもも自信をなくしそう……
おむつは外れたのに、おねしょが復活したというお話は時々聞きます。
原因としていちばん多いのは、寝る前の水分の摂り過ぎ。
おねしょの防止には、少しかわいそうに思うかもしれませんが、夜中に一度起こしてトイレに連れて行くのが良いですよ。たとえば子どもが夜9時に寝た場合、0時頃に一度起こしてトイレに連れて行く。すると3時間は寝ているので、眠くてもトイレに起きてくれます。
気をつけたいのは、子どもがちゃんと目覚めるよう誘導してあげること。半分眠ったままの状態では、トイレの記憶が残りにくく、おねしょも治りにくいです。必ず、目が覚めていることが大切です。
トイレトレーニングは家族で協力しながら進めていきましょう。
LINEオープンチャットで寄せられた質問にお答えします
◆ 質問 1 ◆
今4歳7ヶ月です。昼間のおしっこはトイレでしていますが、うんちがトイレでするのが怖いらしく、なかなかトイトレが進みません。保育園では我慢してしまい、便秘になる事もしばしば。先生からは、年中さんなんだからそろそろ慣れてトイレでしない?と言われています。家ではいつでも安心して出せるように休みの日はオムツにしています。アドバイスをお願いします。
回答
うんちだけトイレで出ない、というお子さんのいらっしゃいます。お子さんの健康を思うと「うんちを我慢してしまう」のは気になりますよね…。ご質問のケースだと、「昼間のおしっこはトイレでできる」「うんちは我慢している」とのことですので、「排泄を自分でコントロールできる」という状態です。なので、自然にその時を待つというよりは、お子さんの様子を見ながらお母さん主導で進めていって良いように感じます。「家ではいつでも安心して出せるようにオムツ」とのことですが、まずは、「安心して過ごせるおうちのトイレ」でうんちに慣れていってもらえたらと思います。「おうちは(保育園や他の場所よりも)安心できる場所だから、おうちで布パンツで過ごしてみない?」と伝えて、ご自宅では布パンツで過ごしてみてください。うんちを漏らしてしまった後の処理は大変ですが、少しの間、一緒にチャレンジしてあげてくださいね。
トイレという場所ではなく「オムツじゃないと怖い」というお子さんもいます。そんなお子さんには、オムツを広げてお尻にあてて「お尻の感覚はオムツだけど、便座に座ってうんちをしている」という状況で排泄を経験するのも一案です。「うんちをしたい」というサインがあれば、その際に、一緒にトイレに行って、お子さんを便座に座らせ、オムツをお尻と便座の間にはさむような感じです。おまるがあれば、それでもOK。「紙パンツにしているのと同じでいいから、うんちはトイレでしよう」という考え方で、便座に座って出せる、という経験を重ねていくのが目的です。色々な工夫をしながら、お子さんに合う方法が見つかると良いなと思います。
◆ 質問 2 ◆
3歳になったばかりの娘がいます。トイトレとして今までトレパンを履かせたりしてみましたが、オムツが濡れてても気持ち悪くないみたいで教えてくれません。普段、オムツで過ごしていて漏れている時ですら、本人はそのまま遊んだりしています。ズボンまでぐっしょりでも、本人は気にしていないみたいです。娘本人からトイレしたい、おしっこ出た等を伝えることがまだ出来ないので、まだトイトレするのは早いですか?こまめにトイレに座らせてトイトレするしかないのでしょうか?
回答
お母さんのお気持ちとは裏腹に、お子さんは濡れていても教えてくれないのですね。「トレパン」はおしっこをある程度吸ってくれるので、お子さんによっては漏れた感覚が感じにくいかもしれませんね。トイトレをしている感じ(失敗すると、床の掃除・お着がえ・洗濯が必要なんだ、と気づくこと)が少ないのかな?と感じました。お子さん本人に「漏れた時の違和感、気持ち悪さ」を感じてもらい、その時に「濡れちゃったね、次はトイレでしてみようか」等の声掛けをしていくと、お子さん自身が「トイレでするものなんだ」と気づいていきます。「違和感・気持ち悪さ」を認識してもらうことを目的に私の園でやっている方法なのですが、吸収体の入っていない、薄い布パンツを半日履かせてみるのはどうでしょうか。失敗すると掃除などは大変になりますが、かなり感覚は感じやすくなります。お出かけの時など、布パンツだけだと不安だな、と思われる場合は、①布パンツを履いた上から、②オムツを履くと、ある程度はオムツが吸ってくれつつも肌に触れる感覚は濡れているので、「気持ち悪いな」と感じやすいかも。気持ち悪い、と感じさせるだけでなく、「濡れちゃったから着替えようね」「べちゃっとするね。」「次はおトイレでしてみようか」等の声掛けもセットで対応してみてくださいね。
「こまめにトイレに座らせるべきか」とのご質問について、トイレに誘うタイミングはあまり頻繁にせず、また、変えないほうが良いということをお伝えできたらと思います。保育園での基本的な進め方ではありますが、トイレに誘うタイミングはあらかじめ決めて、その時にオムツが濡れていなければ便座に座る、を繰り返していくと、スムーズに進んでいくように思います。誘うタイミングは、ご家庭での生活の流れにもよりますが、次のタイミングで「オムツが濡れていなければトイレに誘う」が基本です。①朝起きた時 or 朝ご飯の前・後、②出かける前、③帰宅時 or 帰宅後に遊び始める前、④夕飯を食べる前 or 食べた後 or お風呂の前、⑤寝る前など、生活の流れの区切りになるところで声をかけるのがポイントです。例えば、①の場合、朝起きた時にオムツが濡れていなければ、トイレに誘う、濡れていればオムツを替えて、朝ごはんの前か後にトイレに誘うようなイメージです。トイトレの進め方は、色々な方法があり、お子さんによってうまくいく方法も様々です。すでに保育園等に通われている方は、お子さんの通っている園での進め方を参考に、ご家庭でも進められるとスムーズかなと思いますので、一度園の先生にも聞いてみてくださいね。
◆ 質問 3 ◆
3歳です。トイレに行きたがりません。お姉さんになったからトイレでおしっこしようねと言ってもなかなか難しいようです。保育園ではでなくてもお友達とトイレに行っているようですが、家ではなかなか行ってもらえません。何からはじめたらよいのでしょうか。
回答
「お姉さんになったから」と伝えると、モチベーションが上がるお子さんもいる一方、あまりピンとこない、というお子さんも、もちろんいらっしゃる、という印象です。お子さんの気分によっても、お姉さんでいたいときと、そうでもない時もありますよね(笑)。
大人が伝える表現がお子さんに響いていないかも?と思ったときは、別の伝え方を試してみましょう。
例えば「今度のクリスマスが来たらorハロウィンが来たら、素敵なお洋服着たいから、その時にはお姉さんパンツになろうね。」「運動会が終わったらお姉さんパンツにしようか。」など、少し先の楽しみなイベントを目当てにしたり、区切りにしたりして、トイトレを進めていくことについて、お子さんと話してみてはどうでしょうか。
年齢的に詳しくお子さんが話すことは難しいかもしれませんが、「なぜお家のトイレには行かないのか」について聞いてみたことはありますでしょうか?
もしお子さんが「トイレが怖い」と思っているなら、ママと一緒なら行けるかもしれないですね。お子さんの様子を観察し、気持ちを聞いてみると、対応策が見えてくるかな?と思います。
また、保育園から帰った後の流れを「トイレに行ってから手を洗い、その後遊ぶ」等、トイレに行く流れを作って習慣化していくのも一案です。 その時、ママさんも一緒に「トイレ⇒手洗い」と、同じ流れで帰宅後を過ごしてみてください。しばらく同じ流れでやっていくと、毎日の習慣の中で「トイレに行く」事が定着していくのではないかなと思います。
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