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ママフル365コラム ファミリービルディング 自分たちらしい家族づくり

ファミリービルディング 自分たちらしい家族づくり

あっという間に1年が終わりますね。今年の1月に「今年は・・・」と何かしら目標や、決意を持った方もいらっしゃると思いますが、その進捗、達成はいかがでしょうか?一年間それを意識し続けて過ごすというのは、かなりの努力がないと難しいのではないかと思いますが、意外と生活リズムの中に組み込まれていると、当たり前のようにできてしまったりもします。ただ、日常の当たり前になってしまうと、今度はその目的や尊さ、有難さを忘れてしまうこともありますね(笑)なかなか思い通りにならないのが難しさであり、またそれが“人間らしさ”なのかもしれません。

今回は、一年の終わりを迎えるにあたり、“家族”という単位での振り返り方や、それをもとに今後どうしていけるか、ということをお伝えしていきたいと思います。

「家族」のとらえ方

人が複数人集まると、“組織”とか“社会”などと言われることがありますね。これはつきつめると、自分と全く同じ価値観、同じ感受性を持つ人間はいないので、どうしても「ぶつかることがある」「話し合いが必要だ」ということを表現する言葉とも言えるでしょう。
これは家族でも一緒です。たとえ自分で選択した「家族」のメンバー、形であったとしても、「家族」だからこそ期待が上がり、ぶつかりかたも“程よく”できないこともあるのではないでしょうか。

同じ「家族」でも、その時の家族のメンバーや年齢などによって、抱える課題も様々です。
企業では、「組織の成熟度」といった言葉を使って組織がよく陥る状態などについて語られることもありますが、家族に関しては何かと個別事情がクローズアップされ、“夫が悪い、妻が悪い、親が悪い、子どもが悪い”というように誰かが批判されがちなのかもしれません。

「家族のライフサイクル」

「家族」という組織がつくられるのは、まず二人がお互いのパートナーになると決めた時です。その時から、そのメンバーの年齢や状況によって刻々と「家族」は変わっていきます。
私がよくお話ししているのは、第一子の年齢に合わせてその家族のフェーズが変わっていく「家族のライフサイクル」という考え方です。家族にも「発達・成長の段階」があり、下記のように第一期~第五期に大きく分けてそれぞれの時期の課題があるのです。

●第一期:結婚してから第一子が生まれるまで、が第一期です。
この時期は、新生活へ意欲的でありながらも、新しい共同生活での夫婦のぶつかりや違いを“受容しあう”ということが主な課題となります。

●第二期:第一子が生まれてからその子が就学するまでの間、が第二期です。
この記事をご覧いただいている方の中にも、ここに当てはまる方が多いのではないでしょうか。この時期は、新しい家族を迎える喜びもありつつ、大きく“生活形態を見直す”必要が出てきます。ここで、今までの“大人だけの生活”からの変化が夫婦できちんとできるか、が大きな課題かもしれません。長年様々な家族を見てきた経験から、「この第二期にいかに夫婦の信頼関係を築けるか」が、この後出てくる第五期の夫婦関係にも影響を及ぼすように思います。

●第三期:第一子が就学してから思春期に入るまでの間、が第三期です。
この時期の変化は、小学校入学に伴い親の送り迎えがなくなったり、お友達同士で過ごす時間が増えることにより、子どもの様子がわかる情報手段や情報量が大きく減ること、また第二期である幼児期と比べて親子のコミュニケーションの時間が減ってくることです。親子一緒に過ごす物理的な時間は減ってきますが、この第三期にこそ、日常の嬉しかったこと悲しかったこと、頑張ったことや悩んでいること、何でも安心して話せる環境を意識的につくること、家族間で“対話の習慣”を持っておくことが第四期に向けてのポイントです。

●第四期:第一子が思春期に達してから社会的に独立するまでの間、が第四期です。
この時期は、子どもが親との価値観の違いに気づいて反発が激しくなったり、親自身の時間がぐっと増える時期でもあります。先にも書きましたが、ここに至るまでに家族で“対話する習慣”を持っていることが大切ですね。対話の習慣がないと、この時期の家族のコミュニケーションはどうしてもすれ違いがちになります。ここから家族のあり方を立て直すには、相当のパワーが必要になるかもしれません。

●第五期:最後、子どもが独立してから夫婦の一方がかけるまで、が第五期です。
子どもが巣立つと今度は自分やパートナーの体調、老化への不安が大きくなったり、両親の介護問題が深刻になったり、ということも。“夫婦二人きり”の生活に戻った時にきちんと対話や相談ができる関係性か、ということは、めぐりめぐって子どもにも大きな影響を及ぼします。よく聞かれるのは、両親のコミュニケーションが成り立たないからと、子どもが社会人になっても、子どもを介して両親がコミュニケーションを取ろうとしたり、お互いの愚痴をこぼしたり、といったことがありますね。そうならないためにも、第二期での夫婦のコミュニケーション、信頼関係が非常に大事だということをぜひ覚えておいていただきたいなと思います。

「家族を創る」という考え方

家族はそれぞれのステージで様々なことが起こります。起きたことに対してきちんと向き合い、対話を重ねて、軌道修正したり時に立ち止まったりということを繰り返すことで、自分たちらしい「家族」の形が見えてくるのだと思います。これは、会社の組織がその時々でビジョンを掲げたり、その時に必要な体制にしたり、ルールを刷新したり、ということと一緒です。さらに言うと、企業は「サービスを拡げる」「利益を出す」といったように、組織にいる人の目線を揃える目的目標を作りやすいですが、家族はなかなかその目的目標が作りづらいですよね。
そのため、日頃から「どんな家族でありたいか」「家族で大切にしたいことは何か」などを“対話”する習慣をつけておくことをオススメします。

「家族会議」のすすめ

今年一年を振り返り新年を迎える準備をするこの時期、“対話の習慣”として「家族会議」をご提案します。難しく考える必要はありません。まずは1カ月に1回、家族全員で時間を決めて集まりましょう。
翌月のカレンダーなどに予定を書き込みながら、家族それぞれが大好きな遊びの予定を入れていきます。この日は○○ちゃんの好きな遊びの日、この日はパパ・ママの好きな遊びの日、この日は家族みんなで楽しむ日、などといった具合にです。それぞれの好きなことを大切にする時間、そして家族みんなで一緒に何かを楽しむ時間が、みんなの笑顔をつくります。
そして、「今月(来月)家族で大事にしたいこと」を話し合って決めましょう。できた、できないという○×をつけることが目的ではありませんので、身近なことで構いません。家族で気になっていることに“一緒に取り組む”ことが大切です。今月はどんなイベント(パパの誕生日、運動会など)があるか、どういうことを目標として生活したいか(夜はもう子どもと一緒に思い切って寝る、きちんと「行ってきます」を大きな声でいう、など)といったところからスタートして、まずは定期的に“対話”をする時間を持ってみてください。
(参考)子育て学協会 みんなの“家族会議”
http://kosodategaku.jp/all-kazoku-meeting/

「家族の形」

一つとして同じ家族はありません。自分たちらしい「家族の形」は、自分たちで創っていく必要があります。家族で向き合い対話をし、試行錯誤しながら親子で育ち合っていく、それが“ファミリー・ビルディング”です。
新年に向けて、ぜひ「どんな家族でありたいか」を話し合い、“自分たちらしい家族づくり”を楽しんでいただければと思います。

山本 直美 山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。

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