第11回 残暑!冷却グッズにご注意を
冷やしすぎ注意!冷却グッズの上手な活用のポイントをご紹介します。

30度を超える日もあり、残暑が厳しい9月。そんなときに便利な冷却グッズも使い方を間違えると、過度な冷えを招いてしまう危険性があります。今回は冷却グッズの上手な活用の仕方についてお話します。
冷やしすぎ注意報!
夏の暑い時期に活躍するアイスバッグや冷感スカーフなどの便利な冷却グッズ。熱中症を予防したり、暑さをしのいだりするために多くの人が活用しているようですが、使用する際には注意が必要です。なぜなら熱中症になりやすい人は体温調節がうまくできなくなっていますから、冷えやすい状態にもあるのです。冷たくて気持ちいいからどんどん冷やしてしまうと、血液の流れが悪くなって体を冷やしすぎてしまいます。

おすすめの冷却グッズとは
たとえば、冷えたものを体にあてる冷却グッズや、液体を吹き付ける冷却スプレー、体の汗を拭きとる汗拭きシートなどは、直接、または水分が蒸発することで、体温を奪って体を冷やします。また、市販の温湿布は温かいですが、痛みを止める消炎剤が入っているため、実は体を冷やします。
一方、メンソールなどは冷感がありますが体温は奪わないため、冷えている人にはおすすめです。効果を把握し、それぞれのアイテムを上手に活用してください。
また、外出時は暑い屋外と、冷房のきいた店の中などとの温度差が大きくなります。この変化に影響されないよう、冷却グッズだけではなく、カーディガンなどの着脱しやすい衣類を持ち歩くようにしましょう。

川嶋 朗 (かわしま あきら) 先生
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座 特任教授、医師・医学博士。
自然治癒力を重視し、西洋医学と補完代替医療を統合した医療を実践中。日本初の高等教育機関による統合医療教育を開講。『心も体も冷えが万病のもと』(集英社新書)、『毎日の冷えとり漢方』など著書多数。